2008年1月22日火曜日

SolarisでMicropolis(OSS版初代SimCity)

先週、slashdot.jp のストーリーで話題になったので、すでにご存じの方も多いかと思いますが、初代SimCityのソースコードがオープンソース(GPLv3)として公開されました。

ソース公開はOLPCで動かすために働きかけがあったようですが、Python と C++ で移植が進められているOLPC版に加えて、Tcl/Tk版も公開されました。ちなみに"SimCity"を名乗れるのは、本家Electronic Artsの品質チェックを受けたものに限られ、今回ソースが公開されたのものには"Micropolis"と名前が付けられています。

せっかく公開された、この "Micropolis" ですがやはり Solaris でも動かしたいというのが人情。悪戦苦闘しながらコンパイルして、なんとか遊べる状況になりました。


とりあえずコンパイルできることを目標に作業し、なんとかSunStudioコンパイラを使ってamd64バイナリを作ることができたのですが、関数のプロトタイプ宣言があったりなかったり、下の画像のように unsigned なのか signed なのかよくわからない(笑)表記があったりして、コンパイラが大量にWarningを吐き出す状況で苦労させられました。

しかしながら、できたものをちょっと動かしてみるとやはりそれはSimCityそのもので、昔PC-9801で猿のように遊んだ記憶がよみがえりました。

まだ手元で作業しているものは、怪しさてんこ盛りの状況なので公開できないのですが、コンパイルするためのコツとしては
といったところかと思います。調子に乗って日本語を表示させようと思ったのですが、ソースアーカイブで使われてる Tk が v2.3 という古さでI18N化されていない状態だったので頓挫しています。まあ表示が英語でも十分遊べますし。

2008年1月21日月曜日

最近のホビー層向けライトPC雑誌

思うところがあって、最近のホビー層向けライトPC雑誌を買ってみました。

買ってみたのは「帰ってきた悪用厳禁」「ぶっこぬき」でおなじみ(?)の「ネトラン」、そして「PCJapan」の2誌です。

この辺の雑誌は一時期WinnyやShareなどの紹介記事が集中して掲載されていたり、その周辺のノウハウを大量に掲載し、所謂「ネトラン厨」を多く排出するなど、おさわがせな要素が多い雑誌として認知されています。

ネトラン」については、旧「ネットランナー」から一旦休刊状態を得て復活しているのですが、復活号から「超入門」と題して圧縮解凍、Firefox、デジタルカメラ、PC拡張、PHPとページ数はさほど多くないものの、読者にそれなりのノウハウを身につけさせることを意図した連載が展開しています。正直「ネトラン」でPHPの記事を掲載するのはかなり気持ち悪い部分があるのですが、ある程度まじめな要素も取り入れていこうという試みなのかもしれません。

一方、「PCJapan」のほうは「完全保存版 図解!ネットワークの仕組み」と銘打って、100ページ弱の付録をつけ、連載として過去に掲載されたネットワーク解説記事をまとめています。

付録冊子の目次をみてみると24回分ということで、まる2年にわたって連載されたものをまとめたようで、解説はあくまで平易な言葉づかいで、イラストを含めてわかりやすさを全面に出した記事で、この冊子に関しては非常に好感が持てる内容に思えました。

このようなライトなPC雑誌はどうしても読者の欲望を一手に受け止める必要があるので、それこそ「ぶっこぬき」だとか「動画共有サイト完全攻略」とかいう記事が全面に出ているのですが、実はそれだけではなく、ある程度まじめに読者を育てる試みも行っている部分があるということを認識しました。

昨今PC雑誌はどの雑誌も不振でここ数年は老舗の雑誌ですらも休刊が相次ぐ状態で、確かな知識やスキルを身につけたい人が読むエントリー的な雑誌が皆無になってきているように思います。

私あたりの年代の人間はそれこそ「ベーマガ」こと「マイコンBASIC Magazine」がそのあたりの役割を担っていて、「ベーマガ」のおかげで、とりあえずはBASICはなんとか扱えるようになったという人も多いのではないかと思います。確かに私たちの時代には動画共有サイトもWinnyもなかったわけではありますが、ゲームソフトやアーケードゲームの話題でみんな盛り上がってたような時期でもありました。

確かに暴走ぎみになっている部分も否めないライトPC雑誌ですが、そこそこ見られる部分もあるのではないかと感じた次第です。ちなみに「PCJapan」の付録は本当によく書けているので、ネットワークについて勉強しているひとは買って損はないと思います。

'08センター試験「情報関係基礎」は良問

大学受験の第一の関門、大学入試センター試験が先週末に行われました。

報道されているところによると英語のリスニングやトラブル等で再試験の対象となった受験生が過去最高になったということでしたが、再試験云々は別にして受験生の皆さんは最後まであきらめずがんばっていただきたいと思います。

そのセンター試験ですが、数年前から数学の問題に情報関連の問題が出ることでその筋の方面には知られているのですが、今回の試験の「情報関係基礎」の問題は非常に良い問題が出されました。(試験問題は毎日.JPさん他で閲覧・ダウンロードできます)

中でも光ったのは第2問の状態遷移についての問題、そして第3問のソートアルゴリズムについての問題です。BASICの問題が出る「数学2・B」の問題では実際のプログラミングに即した問題なのに対して、こちらはアルゴリズムや論理的な思考能力に力点を置き、特定のプログラミング言語に依存しない形式となっています。特に第3問の問題などは一番最後に「任意の言語で具体的に実装せよ」と付け加えると、そのままプログラマの就職試験として使えそうな内容です。

といってもそんな試験を課してもFizz-Buzzのコードが書けないプログラマが大勢いるらしいので就職試験問題として成立するかははなはだ疑問なのですが...