2010年10月13日水曜日

Project Jaris 再起動

このところずっとお葬式状態で、未来への希望を持つとしたら Illumos もしくは OpenIndiana といった状況でありましたコミュニティベース Solaris ですが、ここにきて Project Jaris がまさかの再起動、そして復活を果たしています。

Project Jaris は 2009 年 3 月に晋遊舎さんの「Linux 100%」に巻頭特集として取り上げられ話題を呼び、このblogでもその当時の騒動(?)についてこのようなエントリを掲げて話題にしたディストリビューションです。その後、色々な事情があったのか、なかなか開発が進まず、いつしかサイトからもダウンロードできなくなっていた「幻のSolaris 系ディストリビューション」でもあります。公式には「Linux 100%」から大きな動きがなかっただけに、まさに 1 年半越しの復活ということになります。その間 Oracle/Sun は EU の独禁法審査、合併承認、沈黙、OpenSolaris コミュニティの事実上の解散と Solaris をとりまく状況は大きく変わってしまいました。

また「Linux 100%」で取り上げられたということも手伝ってか、ライトユーザ層や2ちゃんねるを中心に Jaris を待望する動きが今までずっと続いてきた、他に類を見ないディストリビューションです。

現在は onnv b135 をベースに作られた、「バージョン101フルコンテンツ版 ( Jaris-1.0p ) 」が期間限定でダウンロードできるようになっていますが、ベータ版のまま沈黙してしまったという事情もあり、Jaris の全貌に近いものが初めて公開されたといってよいのかもしれません。また、onnv b135 は結局リリースされなかった OpenSolaris 2010.03 周辺で前後の developer build に比べて安定していた事情もあるので、期待できる部分もあるのではないかと思います。

といっても、通常は「ベーシック版」を公開していく状況のようですので、興味がある方は今のうちにダウンロードして試してみてはいかがでしょうか。

(2011/09/05) 追記
"Jaris" のキーワード検索でこのエントリにいらっしゃる方が少なからずいらっしゃるようですが、2011/09 の時点での雑感をこちらのエントリに書きましたのでよろしければそちらもどうぞ。

2010年10月1日金曜日

さくらのVPS Ubuntu 10.04 大まかなまとめ

ちょっとした連載という形で続けてきた、さくらのVPS Ubuntu 10.04 連載でしたが、あとはそれぞれ
  1. インストールするサービス用のテスト用ファイヤーウォール設定の変更
  2. サービスのインストール
  3. サービスの設定、構築
  4. 本番用のファイヤーウォール設定の変更
という一連の流れを繰り返していくこととなります。ufw の設定の際には HTTP についても設定しましたが、ここから先は場合によっていろんな選択肢が考えられる展開となります (実際のところ HTTP についても、デファクトスタンダードになっている Apache や、速度重視の Lighttpd のどちらを選ぶのかは場合によりけりだと思います) 。

最小構成から必要なものだけをインストールしていくという手法をとることによって、フットプリントを小さく抑えることができ、かつ動作も軽く、(余計なものが入っていないので) 意図しないところからのセキュリティ脅威を未然に防ぐといったことが可能になります。
$ df -h
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
/dev/sda1 19G 896M 17G 5% /
none 243M 164K 243M 1% /dev
none 247M 0 247M 0% /dev/shm
none 247M 40K 247M 1% /var/run
none 247M 0 247M 0% /var/lock
none 247M 0 247M 0% /lib/init/rw
none 19G 896M 17G 5% /var/lib/ureadahead/debugfs
この状態でのディスクの消費量を見ても、1 GB 以下、 / パーティションの 5% 程度にすぎません。

私が UNIX ライクな OS を使いだしたときに比べて非常にこの辺は洗練されてきている印象があります。実際ここまでくる間でも、ソースコードを入手してコンパイルをするといった必要はありませんでしたし、ファイヤーウォールだって簡単に設定できます ( 本音を言えばソースコードからコンパイルするという作業も教育的な意味からすると重要なのですが ) 。最小の手間で必要なものだけを用意することができるということでは本当に便利に世の中になりました。

ということで、さくらの VPS ですが、サーバを借りてみたいがコスト的にはちょっとという人や、自宅サーバの運用に疲れた人にはおすすめのサービスなのではないかとおもいます。