2009年6月5日

梅田望夫さんの本質

ITmedia に掲載された、梅田望夫さんのインタビュー記事が各方面で話題になっています( 前編 / 後編 )
。反応の大部分は梅田さんを批判する内容で少なからず炎上しているきらいもあるようです。

一部では「21世紀に見聞きした中で、最も残念なインタビュー」なんて頓珍漢な言われ方をしているようですが、私としては「梅田望夫という男の本質を白日の下に晒した」ということで、梅田さんにインタビューをし、あの記事を書いた岡田有花記者を絶賛したいと思います。

このインタビューに関する反応で共通していることは、英語圏のネット空間と日本語圏のネット空間が大きく異なってしまった点を残念だと表現したことで多くの反感を買っているようです。インタビューでは結局のところ「梅田さんの好き嫌い」ということで説得力のある話は語られなかったということも影響しているように思います。

また、インタビューでは例の"Twitter事件"にも触れられ、岡田さんにいいように煽られていましたが、私から見れば問題となった「日本語が亡びるとき」の紹介エントリで「すべての日本人がいま読むべき本だと思う」と無邪気に煽れば、そりゃあ読んでもいないし理解してもいない人が押し寄せてくるのは将棋の3手先を読むより簡単だと思うのですが、そこで逆切れしてTwitterでつぶやき、火に油を注ぐ状況になったのではないかと考えます。これはblogとかTwitterとかいう道具の問題ではなくて、読み手の反応を読まずに無邪気に文章を書き、無駄に読み手を煽ってしまった結果で自業自得だと思うのです。

英語の話については、私も最近2か月の間での OpenSolaris 関連の活動を通じて英語で表現することの意味の重さを身を持って知らされてはじめて「日本語が亡びるとき」で書かれていたことを実感としてとらえることができたわけで、あの本で主張されていることを理解しえる日本人はまだまだ少なく、「すべての日本人がいま読むべき」とはとてもじゃないけど怖くて書けないと今でも思ってます。英語圏の人は確かに無邪気な人が多いのですが、それを現状の日本語圏に何の警戒もなく持ち込んでしまったのが、"Twitter事件"の深層なのではないかと思います。

梅田さんのインタビューで非常に印象に残ったのは 後編の3ページ目 で、このページにもうひとつの梅田さんの本質である「極力リスクを避け、責任をとろうとしない」ということが色濃く現れているのではないかと思います。今の梅田さんは「サバティカル(長期研究休暇)に入る」といっていますが、要は半ニートのようなもので、将棋のタイトル戦があれば現地に観戦に出かけるし、ミューズ・アソシエイツだって「マックス1年間で会社を閉じられるようにしてある」と言っています。50歳手前のビジネスパーソンとして見た場合、責任のある立場を取ろうとせず、無邪気に興味の湧くことを追い求めるという姿勢が反感を買う理由のひとつなのではないかと思います。

平均的な日本人の場合、家族がいれば家族を養うことをファーストプライオリティにすべきだし、将来やりたいことがあるのであれば、その夢をファーストプライオリティに掲げアルバイトに精を出すべきだし、独身だとしても未来の家族を養う地盤を作ることをファーストプライオリティにすべきだと思われていると感じています。梅田さんはいわいる「ハイソ」でそういった金銭的な部分での心配がないという非常に恵まれた環境で育ったのかもしれませんが、恵まれていたがゆえにそれこそ一生を将棋に賭けるといった生き様にあこがれるのかもしれません。

ひょっとするとアウトサイダーとして書きたいことは梅田さんはすでに書き尽くし、本当にネタ切れ状態となってしまった結果が今の梅田さんの「サバティカル」という状態なのかもしれません。何事でもそうなのですが、自分の身を投じ泥臭い努力をしてはじめて知りえることというのはどの分野にも少なからずあるものです。梅田さんは今のスタンスを続けているかぎり一生「サバティカル」から抜け出せず、かつ特定の分野に深くかかわりをもつことに対してはあまりに歳をとりすぎてしまったのかもしれません。

梅田さんの言葉で梅田さん自身の本質を短い時間の中で語らせ、記事にまとめあげた岡田有花記者の仕事ぶりが輝いていた、そんなインタビュー記事だったのではないでしょうか。

2009年5月19日

BarCamp Tokyo2009 に参加してきました

先週末は、東京・Sun用賀本社で行われた BarCamp Tokyo2009 に参加してまいりました。

「ぐぬぬ痛PC」オーナーのchonanでございます。


参加までのいきさつですが、Sunが会場提供しているということとにわかに話題になっているらしい例の OpenSolaris Live USB Creator について話すべきだと masafumi_ohta さんに強く勧められて参加することとなりました。私としてはこのBarCampが用賀デビュー、英語プレゼンテーションデビューでございました。

BarCampというのが一体どういうイベントなのかということについては参加してみるまでよく分からなかったのですが、参加者全員がなにか発表することを求められているのと、コミュニケーションは実質的に英語を使わざるをえないということだけをおぼろげながらつかんでいました。

正直英語でプレゼンやディスカッションなんて全く全然自信がないわけですが、いつかはやらないといけないことでもありますので、もう体当たり玉砕覚悟という状況でした。また、折角このようなイベントに参加するわけですから、プレゼンが最悪でも何かアピールするものを用意したいということで、この「ぐぬぬ痛PC」を用意いたしました。BarCampそのものについての説明については、会場で名刺をいただいた秋元@サイボウズラボ さんの報告が非常に分かりやすいので興味をもった方はぜひチェックしてみてください。まさに「英語が苦手な分、ネタでカバー」ということでございます。

このBarCampに参加して本当に驚いたのが、しゃべった人間すべてがみんなスゴい人たちで非常に密度の濃いイベントだったということ、twitterPoken が圧巻していたということ、恐ろしい勢いで写真と動画が半ば勝手に(笑)撮影されて共有されてしまってるということでした。Poken については地方在住の私が持ってても意味がないよなと思っていたのですが、みんなPokenしてるので私もひとつ欲しくなりました。全体的にものすごくおおらかでどんな人であっても他人をリスペクトするという参加者一人一人の姿勢がBarCampをとてもすばらしいイベントにしたのではないかと思います。

次に行われるBarCampに向けてがんばっていきたいなと思ったのですが、次は BarCamp Tokyo Fall2009 ってすぐじゃないですか!! いづれにせよ何か発表できるように日々精進していきたいと思います。

今のところ、写真はこちら(Flickr)、動画はこちら(vimeo)に集約されています。また、ほぼ玉砕といっても過言ではない私のプレゼン(つづけてohtaさんのも入っています)はこちらです。

2009年5月12日

OpenSolaris Live USB Creator v0.03

各方面にてアナウンスしましたが、OpenSolaris Live USB Creator をバージョンアップし、 Version 0.03 をリリースいたしました。( OpenSolaris-announce でのアナウンス / JPOSUG でのアナウンス )

相変わらず英語のUIですが、exeファイル一発でインストーラーもレジストリも不要となっておりますので、OpenSolaris に興味があるという方はぜひ genunix.org などの USB イメージと共にお試しください。

OpenSolaris Live USB Creator (Windows/.NET)


今回のバージョンアップの目玉は "USB Stick template" の廃止です。

v0.02では実はMBRやdisklabelといったパーティションやスライスの情報を作る機能は実装されていなく、OpenSolaris実機でfdiskやformatコマンドを使って先頭からパーティション0スライス0の開始位置までを切り出してデータとして用意し、"USB Stick template" の選択に応じて先頭部分のデータを使い分けていました。ですので、あえて言えば「劣化版dd」ということができるかと思います。

HDDなどでは、シリンダ・ヘッダ・セクタといった物理的な構造に合わせてこういった情報を生成するのですが、USBメモリの場合物理的にそういったものがないのと、デバイスが報告するパラメータはさておいて、1シリンダ=4096セクタでパーティション構造を作り、現実的にはLBAでストレージ内の位置を示すようでしたので、「それならばいっそのこと何種類かパターンを作っておいて、適宜使い分ければddもどきでもLiveUSBメモリを作ることができるだろう」というねらいがありました。

そういった意味では非常にインスタントなネタツールというつもりだったのですが、意外にも多くの方に使ってもらい大きな反響を呼ぶことになり、この "USB Stick template" がなぜ必要なのかといった問い合わせももらったこともあり、真面目にてこ入れをしようということで今回のバージョンアップとなりました。

v0.03 では usbcopy スクリプトで実行されている fdisk および format コマンドの中で必要な部分を実装し、USBメモリ全体についてパーティションとスライスを作成し、その後にUSBイメージを書き込む流れになっています。またパーティションを設定するだけではブートできませんので、OpenSolaris で配布されている GRUB の stage1 stage2 のイメージをファイルリソースとして埋め込んでいます。また、"USB Stick template" を廃止したのでその分配布サイズが小さくなるという効果もありました。

今回のバージョンアップでようやく usbcopy スクリプト相当の働きとなってなんとか「ネタツール」から脱却した格好ですが、次のバージョンの構想も固まりつつあります。リリース時期は約束できませんが、近いうちにお見せできるのではないかと思います。

2009年4月11日

OpenSolaris Live USB Creator (Windows/.NET)

完全に自分のblogで紹介するのに遅れをとってしまいましたが、OpenSolarisやその派生OSのLiveUSBメモリを作るためのツールを作ってみました。

OpenSolaris Live USB Creator (Windows/.NET)


OpenSolaris でブート可能なUSBメモリを作る方法はあるにはあるのですが、そのためにはまずOpenSolarisやSolarisの環境を用意して、その上で usbcopy なるスクリプトを走らせる必要がありました。常にSolarisに囲まれている環境であればそれほど苦にもならないのでしょうけれども、手元にWindowsしかないような方には敷居が高く、今時のUMPCのような光学ドライブをもたないPCではどうにもならない状況でした。

LiveUSBをどうやって作るかという問題は実は OpenSolaris に限ったことではなく、各LinuxディストリビューションやWindowsでもいろいろな工夫をされている分野で、特に Fedora では Fedora LiveUSB Creator というツールが存在します。これと似たようなモノをOpenSolarisでも作れないかというのと、個人的に最近ハマってる EeePC で簡単に作る方法を模索してできたのがこのツールというわけです。今のところUIは英語ですけど、フィーリングで使うことができるのではないでしょうか。

実際の USB イメージは OpenSolaris の 場合 genunix.org から最新スナップショットをダウンロードすることができます。また純粋な OpenSolaris だけでなく、各派生OSの USB イメージも書き込むことができるかと思います。

ということで、OpenSolarisに興味があるけどイマイチ踏み込めないという方はこのツールでLiveUSBを作って体験してみてはいかがでしょうか。