2011年11月28日月曜日

Ubuntu 11.10 "Oneiric Ocelot" での sun-java6-jdk パッケージのインストール

【重要】 その後状況が変わり、LffL Java PPA や従来の sun-java6 パッケージ群を使用することは推奨できない状況となりました。開発環境として Oracle JDK を維持しないといけない方へ導入記事をこちらに書きましたので、そちらをご覧ください(2011/12/22 追記)。


先日、「第21回 日本Androidの会 東北支部発信会」で GDD 2011 の参加報告ということで喋ってきたのですが、懇親会で「Ubuntu を普段づかいにしてるのって珍しいね」と言われてちょっとヘコんでいる今日この頃です。

さて、Ubuntu 11.10 "Oneiric Ocelot" を新規にセットアップする際にハマりがちになるのは実は Java6 JDK 環境だったりします。というのは Ubuntu 11.10 になって sun-java6-jdk パッケージが partner レポジトリから削除され、 「partner レポジトリを有効にする」という従来の方法ではインストールすることができなくなったためです。アップグレードインストールで 11.10 環境を作った場合にはすでにインストールされている sun-java6-jdk パッケージが維持されているので見落としがちになるのですが、新規に環境を作る時にハマってしまうポイントです。

どうしてこういうことになったのかというと、他でもなくライセンスの都合ということになるのですが、特に Android 開発では Java6 JDK がないとはじまらない部分があるのでなんとかしたいところです。現状は
  • OpenJDK ( 6 もしくは 7 ) を使う
  • Oracle から公式のパッケージをダウンロードしてそれを使う
  • LffL Java PPA を利用する
という 3 つの選択肢があります。どれがいいのかという議論になるのですが、Android 開発をすることを念頭に入れると、互換性の問題を踏むと厄介そうだというのと、公式のパッケージを使った場合には /usr/lib/jvm 以下に正しくファイルを配置しないといけないということから、 LffL Java PPA を使ってみたいと思います。

PPA という仕組みを使ってインストールすることになるので、前もって

# apt-get install python-software-properties

として、add-apt-repository コマンドをインストールして、 LffL Java PPA の登録を行います。

# add-apt-repository ppa:ferramroberto/java
You are about to add the following PPA to your system:
 LffL Java
 PPA esclusivo per l'ultima versione disponibile di JAVA

PPA for the latest version of JAVA

PPA fur die neueste Version von JAVA

PPA para la ultima version de JAVA

PPA pour la derniere version de JAVA


by LffL http://www.lffl.org

 More info: https://launchpad.net/~ferramroberto/+archive/java
Press [ENTER] to continue or ctrl-c to cancel adding it

(確認のためにここで止まりますので、ENTER キーを押して先に進みます)
(やめる時には Ctrl+C で add-apt-repository コマンドを停止させます)

Executing: gpg --ignore-time-conflict --no-options --no-default-keyring --secret-keyring /tmp/tmp.cQGIjhdptt --trustdb-name /etc/apt/trustdb.gpg --keyring /etc/apt/trusted.gpg --primary-keyring /etc/apt/trusted.gpg --keyserver hkp://keyserver.ubuntu.com:80/ --recv 3E756CF119B127D4DA40A186B725097B3ACC3965
gpg: requesting key 3ACC3965 from hkp server keyserver.ubuntu.com
gpg: key 3ACC3965: public key "Launchpad lffl" imported
gpg: no ultimately trusted keys found
gpg: Total number processed: 1
gpg:               imported: 1  (RSA: 1)

PPA の登録が済んだら、apt-get update, apt-get install コマンドでインストールします。

# apt-get update
...
# apt-get install sun-java6-jdk sun-java6-plugin
...

インストールが終わったら

$ java -version
java version "1.6.0_26"
Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.6.0_26-b03)
Java HotSpot(TM) Client VM (build 20.1-b02, mixed mode, sharing)

として、バージョンを確認しておくと良いでしょう。またすでに OpenJDK 環境をインストールしている場合には、update-alternatives コマンドで切り替えておくとよいと思います。

2011年11月24日木曜日

「グーグルの72時間」がPDFファイルで無料公開

Impress Japan さんより、12/8 に発売される予定の「IT時代の震災と核被害」の冒頭部分、「グーグルの72時間」の部分の PDF ファイルが無料で公開されています。

内容としては、震災が起きたその前後のリアルなドキュメントや、恐るべき早さでリリースされたパーソンファインダーとその舞台裏やエンジニア達の試行錯誤や葛藤といったことが非常にいきいきと描かれています。

いまや誰もがその名前を知っているであろう Google ですが、中で奮闘しているエンジニアの生の働きぶりや情熱といったものはなかなか外部に知らされる機会はありません。あの震災とその混乱の裏でこれだけの情熱とそれを支える体制が迅速にとられたということが、これだけの成果をあげることができた要因だったのではないでしょうか。
「いくら若いメンバーでも、何日も極度の緊張をしいられる状態が続くと、相当に参ってきます。そのときみんなを踏んばらせたのは三浦です。災害現場では最初の72時間を過ぎると生存率が下がることは、みんなも頭ではわかっている。しかし、神戸の震災を経験している彼がいうと、リアリティが違います。ほかにも阪神大震災の経験者がいて、彼らの声に励まされ、とにかく必死でがんばることができました」
私の当時の状況を振り返ると、幸い電気や水道などのライフラインは無事だったものの、物流が完全に麻痺し、 次第にサバイバル的な状況となる中、目前の状況への対応に追われていたように思います。極限状態でどのようなパフォーマンスを発揮できるのかがその人や組織の真価だといわれることがよくありますが、もっとも優秀だとされるエンジニア集団がどう動いたのかということについて非常に参考となりました。

ただひとつ非常に気にかかるのは、本来こういった公共的な機能を果たすべき行政機関について
一方、災害時にもっとも重要かつ信頼できる第一次情報を発すべき政府と行政は、安否情報システムひとつをとっても、十分な機能を果たせなかった。原発や核被害に関する第一次情報についても同様である。私企業にまかせておくだけでいいのか、という点については、市民であるわれわれもまた、社会の一員として再考しなければならない。
 と厳しい評価を下さざるをえない状況があるということだと思います。賞までいただいてしまいました「牛トレーサー」の件や、福島をはじめとしたガイガーカウンター自作ムーブメント、様々なボランティアプロジェクトなど震災以降色々な人がそれぞれのリソースを持ち寄って身を切って復興を目指しているという状況やその情熱を、未来に活かせていけるような社会になればとささやかに思うのでした。

Google Wave が本当に終了してしまうようです

昨年サービス終了がアナウンスされ、先日の GDD 2011 Japan の Ignite の時のトークでも
最近の Google の場合、サービスが停止することよりもサービスが終了することのほうが多いですよね。Wave とか。
と、引き合いに出されてしまっていた Google Wave ですが、本当に終了してしまうようです。

Wave を使っているユーザに対して送信されたメールやこちらのページによると、

  • 2012/1/31 にサービスが読取専用になり
  • 2012/4/30 にサービスがオフラインになり終了する
というスケジュールがアナウンスされました。そしてサービスが終了するまでに必要なデータを保存しておくように呼びかけています。

なお、引き続き Wave を使いたい場合には Apache WaveWorkaround のオープンソースプロジェクトが利用可能であること、また Workaround を使う場合には、 Google Wave からのデータ移行機能が実験的な機能として実装されているので来年 4/30 までの間は利用することができる旨についても触れられています。

一年以上前からアナウンスされてきたことではありますが、話題を呼んだサービスが終了するのはちょっと寂しい感じがします。

2011年11月11日金曜日

Google Developer Day 2011 Japan に参加してきました

Google Developer Day 2011 Japan に参加してまいりました。

このイベントに参加するのは昨年に引き続き 2 回目となりますが、今回は例の「牛トレーサー」を書いていたことから、優先枠申請をしたところ思惑どおり参加権をゲットすることができました。とはいえ、DevQuiz にも参加 してしっかりボーダーラインをクリアした上で参加しました。

なお、公式のハイライト動画が Youtube で公開されたようですので、どのような雰囲気であったのかを感じとってもらえればと思います。



ちなみに動画の中盤で、会場エントランスの隣に設置されたボードに "age++;" と書いている場面がありますが、実は当日誕生日だったということもあり、帰りがけにネタとして書き残したものをハイライト動画で拾っていただいた格好になります。ちなみにボードには
あなたが書いた自慢のコードは何ですか? GDD 会場に刻みつけよう!
Which is the most ninja code you've ever written?
と書いてあり実際に難解プログラミング言語での Quine などかなりマニアックなコードが書いてあったわけですが、書き残したタイミングやボードの中での場所が良かったのかもしれません。



また、夕方の Ignite の時間には「Google ダンス部によるパフォーマンス」がありましたが、出演者のクレジットが「GDD48」と、とうとうGoogleもご乱心かと見せかけて実のところ須藤元気率いるパフォーマンスユニット「WORLD ORDER」のコラボレーションという非常にクールなアトラクションとなりました。

( 11/15 追記: Google Japan Developer Relations Blog にて、今回の "GDD48" ダンスパフォーマンスについての Blog 記事が掲載されました。 )


さらに、ささやかなおみやげ( zeemote のBluetooth接続のジョイスティック ) や缶バッチのトレーディングなどいろいろな仕掛けがあり、楽しく、また当然のことながら非常にためになるイベントでありました。特に感銘をうけたのが、今回のテーマというべきもので、基調講演の最後に示された3つの事柄です。

  • 「なにごともエンジニアありき」
  • 「百聞は一デモに如かず」
  • 「日本で『イケる』と思ったら、世界のみんなも同感するかも」

まさにこの通りで、プロダクトマネジメントディレクターの徳生氏がハイライト動画で語っている通り、デベロッパーとしての誇りを持つことの大切さをあらためて感じさせられました。次回、また同じようなイベントがある際には、スピーカーとして参加できるようなそういったデベロッパーになりたいと思わせられる、そういうイベントでした。参加された皆さん、運営に携わった皆さん本当にお疲れさまでした。

2011年11月7日月曜日

ミログの「AppLogSDK終了」アナウンスについて


A3 TogetherGoogle Developers Day 2011 Japan 参加で激しく周回遅れ状態となってしまいましたが、先日取り上げました 「AppLogSDK」 について、全サービス終了のアナウンスが10/27に発表されました。

このサービスについては種々な問題点が指摘され、10/10にサービスを停止していたにもかかわらず、「10/26に『今後の展開に関する重大発表』を行う」としていましたが、結局のところサービス終了ということになりました。

サービスの終了は状況を見る限りでは妥当な判断のように思えるのですが、CEO の Tweet を見ると若干その趣が違うように感じられます。

というのは、サービス終了を告知したのにも関わらず、あたかも新規事業を立ち上げるかのごとく、終了告知用のドメインをわざわざ新たに取得し、さらに「3分アンケート」への協力を呼び掛けていることです( あえてこのblogエントリの画像では URL 部分をマスクしています )。

この点については感情的な感想が各方面で述べられているようでしたが、実は狙いは明確で「AppLogSDKの終了」イベントで世間を注目を浴びたことを、SEOのための商材に使おうということなのだろうと思います。実際には取得されないであろうドメインを取得し、そこにサービス終了のアナウンスを掲載し被リンクや一時的なページビューを稼ぎ、SEOビジネスの切り札に使おうということなのでしょう。

正直ミログが「AppLogSDK」についてどれだけ真摯に取り組んでいたのかは知る由もありませんが、ある程度問題点が指摘されニュース露出が増えてきた段階で、このプランは用意されていたのではないかと思います。Don't be evil というわけではありませんが、このようなことを打ち出してくるところについては相応の対応をすべきなのではないかと感じたのでございました。


A3 Together 「決勝プレゼン&表彰式」に行ってきました

もう一週間が過ぎてしまった話題で恐縮なのですが、先日報告いたしました、日経BPさん主催のA3 Together の「決勝プレゼン&表彰式」に参加してまいりました( 最終結果, 日経BPさんのプレスリリース )。結果としては順当に「アプリ/Webサービス賞」という結果でございました。

今回の A3 Together では「アプリ/Webサービス賞」と「アイディア賞」の受賞者に 5分間のプレゼンが課せられ、その内容も加味された上でこの2部門の大賞が決定されるということで、単なるセレモニーということではなく、当事者としてはかなり緊迫するイベントでございました。

さらに、表彰式の数日前に同社が発行している「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則 (AA)」が送られ、リハーサルの際に、同書の解説を担当された外村氏によるプレゼンレッスンを実施することが知らされたので、大慌てで同書をチェックし、プレゼンを作り、そして当日午前中には実際にレッスンを受けてアドバイスやダメ出しを頂き、再度プレゼンを練り直すという非常に有意義だけどハードな状況に追い込まれていました( 実際はリハーサル・プレゼンレッスンは前日の午後から行われていたのですが、仕事の関係から当日入りしたのも状況がハードになった一因かもしれません )。

結果ある程度のところまでざっくり贅肉を削ぎ落とし、あとはなるようにしかならないということで、失うものは何もない開き直りテイストなプレゼンを行いました。この模様は公式の UStream チャネルで配信されました。プレゼンの部分だけのハイライト動画および個人的に別建てで録画した Youtube 動画をはりつけておきますので、興味のあるかたはご覧いただければと思います( もちろんプレゼンの内容は同じなので両方視聴する意味はあまりありません )。

A3 Together 「牛トレーサー」プレゼンテーション ( 公式 UStream 録画 )


A3 Together 「牛トレーサー」プレゼンテーション ( 個人で録画した Youtube 動画 )


プレゼンのレッスンを受けるというのは本当に貴重な体験で(もちろんその後に本番がありますから、もちろん真剣勝負です)、書籍のエッセンス的な部分を実体験することができ、とても勉強になりました。

「牛トレーサー」は賞を取ることを意識して応募したわけではなかったのですが、このような評価をいただいて非常に光栄でございました。また多くの受賞者の方やメーカーの方コミュニティの方とお話することができたのは大きな収穫でした。

A3 Together は「震災復興」がテーマではありましたが「次のアプリケーション」も準備していきたいと思いますので、これからもご声援・応援よろしくお願いします。