みなさんこんばんは。
Ubuntu の新しいバージョンの 13.10 Saucy Salamander が先週リリースされたわけですが、新リリースにあわせる形で Software Design 11月号「Ubuntu 13.10 “Saucy Salamander” 次期LTSリリースをにらんだ,野心的なマイルストーン」に一般記事を寄稿いたしました。
この記事を書いた時点では、Mir/XMir ディスプレイサーバへの移行が撤回される前で、スマートフォン・タブレットとデスクトップとの統合という軸で記事を書いたのですが、その後 13.10 では Mir/XMir 移行は撤回され、ディスプレイサーバ移行の前提が崩れてしまいました( ただし白紙撤回となったわけではなく、引き続き Mir/XMir のテストを行うことは可能です)。また、デスクトップ版で32bit版64bit版のどちらがオススメなのか分からないという点は、公式に「64bit版がオススメ」ということに落ち着いたようです。IBus の 1.5 移行とそれによる(特に)日本語入力環境の大幅な変更はリリースに盛り込まれた状況となりました。
もちろん改良点もあるのですが、比較的目に見えづらいところでの変更ということで、「目に見えてうれしいところはないけれども日本語入力環境がちょっと...」というのが第一印象となるリリースになってしまいました。
日本語入力環境については、あわしろいくやさんが非常に苦労してユーティリティを書いたり解説を行ったり、挙句の果てにはリリースノートの翻訳に注記を書いていただいたりしていたわけで、少なくとも 13.10 で日本語入力ができるのは、いくやさんのおかげなんじゃないかといった状況です。
この辺の不具合を踏むと過剰に反応する方が出てきたり、それに対して「文句があるなら貢献を」という議論が沸き起こったりというイベントが発生するわけですが、まずは「リリースノートを読んで身構えて」欲しかったというのが正直言ったところです。
そこにあるのを意識しないで使うことができるのが日本語入力だけでなくOSの理想ではあるのですが、現状ではまだまだ色んな物が足りていません。リリースノートは新しい世界に踏み出すための最初の一歩だということで、(長くて申し訳ないんですが)目を通していただければ幸いです。
2013年10月22日火曜日
2013年10月9日水曜日
【半年ぶり】週刊アスキー 10/22 号に寄稿いたしました【2回目】
みなさんこんばんは。「執筆しました告知」には定評のある、ちょーなんでございます。
さて今回も寄稿のご報告なのですが、今回は約半年ぶりに「週刊アスキー」本誌に出させていただきました。題材は最近一部方面で注目を集めている「ちっちゃいLinuxマシン」方面から、デザインもスタイリッシュな CuBox です!
ちっちゃいLinuxマシンでは Raspberry Pi が話題を集めて有名になりましたが、小さい上にスタイリッシュな CuBox や最近では BeagleBone Black など、ARMを搭載した小型マシンが登場してきています。
今回は CuBox の光音声端子を活用して Voyage MuBox をインストールしてミュージック再生サーバを作ってみたという内容を、超絶的に「1ページちょい程度にはしょって(えっ?)」紹介いたしました。
NUC や BRIX は単体で Windows が動くのですが、それに比べるとどうしてもマゾっぽい内容ですが(でもコンソールはMicroUSB端子に出ているので楽ですが)、この小さい筐体から S/PDIF 光音声で音楽を聴くことができるのは驚きです。地味に一緒に使ったワイヤレスヘッドホンの RP-WF7 もコストパフォーマンスが良い製品でオススメです。
CuBox は国内ではペタピコショップさんが取り扱っていますが、ちっちゃくて四角いフォルムにグッときた方はぜひチェックしてくださいね。ちなみにもうしばらくすると新製品の CuBox-i が登場するのでこちらも見逃せません。
実は記事を書いたついでに Raspberry Pi でも同じようなことを実現できないかと思っていろいろ実験していますが、結構ハマりどころがあり、かつ外部にUSBサウンドモジュールを接続して、さらに調整が必要になるので結構大変かもしれません。
このあたりの事情はもしかしたらどこかで披露することがあるかもしれませんが、それはともかくとして、ちっちゃいLinuxコンピュータの使い方の例として楽しんでいただければ嬉しいです。
さて今回も寄稿のご報告なのですが、今回は約半年ぶりに「週刊アスキー」本誌に出させていただきました。題材は最近一部方面で注目を集めている「ちっちゃいLinuxマシン」方面から、デザインもスタイリッシュな CuBox です!
ちっちゃいLinuxマシンでは Raspberry Pi が話題を集めて有名になりましたが、小さい上にスタイリッシュな CuBox や最近では BeagleBone Black など、ARMを搭載した小型マシンが登場してきています。
今回は CuBox の光音声端子を活用して Voyage MuBox をインストールしてミュージック再生サーバを作ってみたという内容を、超絶的に「1ページちょい程度にはしょって(えっ?)」紹介いたしました。
NUC や BRIX は単体で Windows が動くのですが、それに比べるとどうしてもマゾっぽい内容ですが(でもコンソールはMicroUSB端子に出ているので楽ですが)、この小さい筐体から S/PDIF 光音声で音楽を聴くことができるのは驚きです。地味に一緒に使ったワイヤレスヘッドホンの RP-WF7 もコストパフォーマンスが良い製品でオススメです。
CuBox は国内ではペタピコショップさんが取り扱っていますが、ちっちゃくて四角いフォルムにグッときた方はぜひチェックしてくださいね。ちなみにもうしばらくすると新製品の CuBox-i が登場するのでこちらも見逃せません。
実は記事を書いたついでに Raspberry Pi でも同じようなことを実現できないかと思っていろいろ実験していますが、結構ハマりどころがあり、かつ外部にUSBサウンドモジュールを接続して、さらに調整が必要になるので結構大変かもしれません。
このあたりの事情はもしかしたらどこかで披露することがあるかもしれませんが、それはともかくとして、ちっちゃいLinuxコンピュータの使い方の例として楽しんでいただければ嬉しいです。
2013年10月7日月曜日
自治体の Windows XP 搭載 PC について
サポート期限切れが近づいている Windows XP ですが、読売新聞で「XP期限切れ、自治体「攻撃めったにない」」でちょっとセンセーショナルに報道されたせいか、この週末に自治体で使われているPCについてちょっと辛めな反応がブログやtwitter Facebook などで見られました。
特にサポート終了によるセキュリティ上の問題が懸念されていますが、IT というものとどうつきあっていったら良いのかというテーマが内在している問題のように私には思われます。
「サポート期限切れのWindows XP を使い続け、更新しないのはケシカラン」と言い切ってしまうのは簡単ですが、自治体のPCをめぐる環境はそれほど簡単な状況ではありません。
そんな様子を垣間見ることができるのが、同じ読売新聞に掲載された「期限切れXP、自治体54%に20万台」の記事に書かれた「 更新できない主な理由」で、以前それぞれの項目についてちょっと考えてみます。
とはいえ、私自身は現在この業種からは遠いところにいて、しかも真面目に裏をとった情報ではなく、その時々での感想や印象などを思い出して書いたのでその辺はご容赦のほどを。もちろん特定の自治体が云々という話でもございません。 妄想程度に読んでいただければ幸いです。
一番皮肉に見えるのはこの項目かもしれません。
端的に言えばPCを使うための研修・教育が継続的に行われていなかったということですが、じゃあ今使っている Windows XP はどうして使えるようになったのかといえば、平成13(2001)年に森内閣「e-Japan戦略」下で行われた「IT講習会」が大きかったように感じます。
丁度 Windows 2000 から Windows XP への移行期に合計550万人が受講したというこの講習会ですが、その後OSの更新時にスキルも更新しなかったケースがあるのではないでしょうか。
ITに限ったことではないのですが、地方自治体の財政は地方交付税交付金に大きく依存しているのが実情です。ITを使うためには継続的な取り組みが必要ですが、2000年代はこの
分野について先にあげた「e-Japan戦略」でおりてくる補助金に頼っていたケースが多かったように感じています。
当時はいわいる「ミレニアム(千年紀)」を合言葉に様々な政策が出されましたが結局のところ「目新しい補助金」という性格があるものだったような気がします。それなりにIT業界が活発化したので効果はゼロではありませんが、継続的な政策にするのは難しい性格があったのではないでしょうか。
今回の問題にかぎらず、補助金で導入したものをどう更新するのかというのに苦労している団体は多いのではないでしょうか。同じような問題は公立学校に導入されている教育用のPCにおいても直面しているような気がします。
これも財政がらみの理由ですが、まとまったIT投資をする際には一括で予算を確保して購入することはあまり行われず、リース契約を組むケースが多いです。現在の税法上はPCについては法定耐用年数4年間の 0.7倍以上 1.2倍以内ということで、3年あるいは4年でのリース設定が可能ということになっていますが、私が見てきた中では4年、5年というケースが多く感じていました。
もちろん中途解約すると清算金が発生するという問題もありますし、仮にOSだけを入れ替える場合であっても新しいOSのライセンス費用やOSの入れ替え作業費などは別途措置する必要があります。またシステム更新時期が到来したのだけれども予算の都合上、リース契約を延長するようなケースも存在します。
一番やっかいなものはこの項目かもしれません。先の「e-Japan戦略」を契機に現場にはいろんな箱が増えました。特に大きな影響があったのは全国住基やLGWANですが、これらのインフラを使っているシステムに現場PCのOSの選択は大きく左右されます。使うシステムのどれか1つに「動作環境は Windwos XP」とあれば Windows XP にせざるを得ないのが実情でした(今はどうなのでしょう?)。
Windows XPは、サービスパックをはさみながら、2001年10月のリリースから2014年4月の間実に12年半の長寿OSとなったわけですが、それを前提に作られたシステムのどれだけが新しいOSを対象とできるのでしょうか。これは自治体だけではなくいわいる公官庁公共システム分野のベンダーにも責任の一端がある印象がいたします。
地方交付税交付金うんぬんのところとも関連しますが、財政が厳しい状況では予算が認められないケースも当然出てくるでしょう。
こうして見ていくと中長期的なビションがない状況で一時的な財政措置や政策・施策で投資を行ってきたツケがまわってきた状況のように思います。なんとなく国の政策がマズかったようにも見えますが、短命な政権が相次いだり、2度の政権交代を経験
したのは、ある意味我々国民の選択であるわけで、このあたりを考えると渋い顔をせざるを得ないのかもしれません。
また Microsoftに対して「とても困っているから救済策を」という声もありますが、救済策としてサポート期間が延長された結果が2014年4月までのサポート期間ですからそろそろ腹を決めないといけない時期に来ている感がいたします。そもそもWindows XP から数えて、Vista, 7, 8 ( ともしかしたら 8.1も? ) と、3世代(もしくは4世代)前のOSにサポートを求めるのはさすがに酷な状況ではないでしょうか。
「じゃあ Ubuntu などの Linux を使えばいいの?」と思う方もいるかもしれませんが、結局サポート期間は有限の期間でWindowsやMicrosoftだからどうだということではありまません。なんでもそうですが「時期が来たら買い換える」必要があるし「知識は最新にアップデートする」必要があります。
伊勢神宮の式年遷宮ではありませんが、どう更新し活かしていくのかという視点、目の前のものが恒久的に使えるわけではないという、至極あたりまえの見解に立ち返る必要があるように思います。
特にサポート終了によるセキュリティ上の問題が懸念されていますが、IT というものとどうつきあっていったら良いのかというテーマが内在している問題のように私には思われます。
単に更新すれば良いという問題なのか?
「サポート期限切れのWindows XP を使い続け、更新しないのはケシカラン」と言い切ってしまうのは簡単ですが、自治体のPCをめぐる環境はそれほど簡単な状況ではありません。
そんな様子を垣間見ることができるのが、同じ読売新聞に掲載された「期限切れXP、自治体54%に20万台」の記事に書かれた「 更新できない主な理由」で、以前それぞれの項目についてちょっと考えてみます。
とはいえ、私自身は現在この業種からは遠いところにいて、しかも真面目に裏をとった情報ではなく、その時々での感想や印象などを思い出して書いたのでその辺はご容赦のほどを。もちろん特定の自治体が云々という話でもございません。 妄想程度に読んでいただければ幸いです。
「更新できない主な理由」アラカルト
新しいOSがつかいこなせない
一番皮肉に見えるのはこの項目かもしれません。
端的に言えばPCを使うための研修・教育が継続的に行われていなかったということですが、じゃあ今使っている Windows XP はどうして使えるようになったのかといえば、平成13(2001)年に森内閣「e-Japan戦略」下で行われた「IT講習会」が大きかったように感じます。
丁度 Windows 2000 から Windows XP への移行期に合計550万人が受講したというこの講習会ですが、その後OSの更新時にスキルも更新しなかったケースがあるのではないでしょうか。
予算の6割を地方交付税に頼り、除雪などに使われてしまう
ITに限ったことではないのですが、地方自治体の財政は地方交付税交付金に大きく依存しているのが実情です。ITを使うためには継続的な取り組みが必要ですが、2000年代はこの
分野について先にあげた「e-Japan戦略」でおりてくる補助金に頼っていたケースが多かったように感じています。
当時はいわいる「ミレニアム(千年紀)」を合言葉に様々な政策が出されましたが結局のところ「目新しい補助金」という性格があるものだったような気がします。それなりにIT業界が活発化したので効果はゼロではありませんが、継続的な政策にするのは難しい性格があったのではないでしょうか。
今回の問題にかぎらず、補助金で導入したものをどう更新するのかというのに苦労している団体は多いのではないでしょうか。同じような問題は公立学校に導入されている教育用のPCにおいても直面しているような気がします。
パソコンのリース契約が残っており、中途解約すると清算金が発生する
これも財政がらみの理由ですが、まとまったIT投資をする際には一括で予算を確保して購入することはあまり行われず、リース契約を組むケースが多いです。現在の税法上はPCについては法定耐用年数4年間の 0.7倍以上 1.2倍以内ということで、3年あるいは4年でのリース設定が可能ということになっていますが、私が見てきた中では4年、5年というケースが多く感じていました。
もちろん中途解約すると清算金が発生するという問題もありますし、仮にOSだけを入れ替える場合であっても新しいOSのライセンス費用やOSの入れ替え作業費などは別途措置する必要があります。またシステム更新時期が到来したのだけれども予算の都合上、リース契約を延長するようなケースも存在します。
住民サービスのシステムもXPにしか対応しない。すべて変えるためには莫大(ばくだい)な金がかかる
一番やっかいなものはこの項目かもしれません。先の「e-Japan戦略」を契機に現場にはいろんな箱が増えました。特に大きな影響があったのは全国住基やLGWANですが、これらのインフラを使っているシステムに現場PCのOSの選択は大きく左右されます。使うシステムのどれか1つに「動作環境は Windwos XP」とあれば Windows XP にせざるを得ないのが実情でした(今はどうなのでしょう?)。
Windows XPは、サービスパックをはさみながら、2001年10月のリリースから2014年4月の間実に12年半の長寿OSとなったわけですが、それを前提に作られたシステムのどれだけが新しいOSを対象とできるのでしょうか。これは自治体だけではなくいわいる公官庁公共システム分野のベンダーにも責任の一端がある印象がいたします。
予算要求したが、財政担当に却下された
地方交付税交付金うんぬんのところとも関連しますが、財政が厳しい状況では予算が認められないケースも当然出てくるでしょう。
スキルも機械も最新のものに更新していく努力を
こうして見ていくと中長期的なビションがない状況で一時的な財政措置や政策・施策で投資を行ってきたツケがまわってきた状況のように思います。なんとなく国の政策がマズかったようにも見えますが、短命な政権が相次いだり、2度の政権交代を経験
したのは、ある意味我々国民の選択であるわけで、このあたりを考えると渋い顔をせざるを得ないのかもしれません。
また Microsoftに対して「とても困っているから救済策を」という声もありますが、救済策としてサポート期間が延長された結果が2014年4月までのサポート期間ですからそろそろ腹を決めないといけない時期に来ている感がいたします。そもそもWindows XP から数えて、Vista, 7, 8 ( ともしかしたら 8.1も? ) と、3世代(もしくは4世代)前のOSにサポートを求めるのはさすがに酷な状況ではないでしょうか。
「じゃあ Ubuntu などの Linux を使えばいいの?」と思う方もいるかもしれませんが、結局サポート期間は有限の期間でWindowsやMicrosoftだからどうだということではありまません。なんでもそうですが「時期が来たら買い換える」必要があるし「知識は最新にアップデートする」必要があります。
伊勢神宮の式年遷宮ではありませんが、どう更新し活かしていくのかという視点、目の前のものが恒久的に使えるわけではないという、至極あたりまえの見解に立ち返る必要があるように思います。
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