2011年10月11日火曜日

有線ルーター BHR-4GRV レビュー

先日ブロードバンド優先ルーターの BHR-4GRV (AA) を買ってみましたが、なかなか紹介されてないところがあるので、レビューしてみたいと思います。

この機種はバッファローの有線ルーターラインナップの最上位機種として、この8月に発売された最新モデルです。下位の BBR-4HG (AA)などは家庭用のブロードバンドルータとして非常に高いコストパフォーマンスで話題になり、いまなお現行販売機種で量販店の店頭にも並べられている機種です。私は個人的に BHR-4RV (AA) を使っていて、その置き換えで購入した形になっていますが、値段も安く、かつ「遊べる」内容に仕上がっている感じがあります。

この機種は「リモートアクセスモデル」と位置づけられており、PPTPサーバ/PPTPクライアント機能が実装され、出先から自宅の環境に比較的簡単にVPN接続を行うことができるという特徴があります。

その一方で、この機種の非常にユニークな点はルータ本体に USB 端子がついていて、USB 接続のプリンタやスキャナを接続するとデバイスサーバに、またHDDなどのストレージを接続すると NAS や メディアサーバ、 BitTorrent クライアントとして使うことができる点にあります。ホームサーバを兼ね備えるルーターということで非常に意欲的な製品です。

実際にHDDをつないで、 BitTorrent クライアント機能を試してみたのですが、設定画面の中に「ダウンロードマネージャ」という画面があり、ここで torrent ファイルをアップロードしてダウンロード指示を出すという流れです。

この BitTorrent クライアント機能ですが、NATの内部から使用しようとすると、NATテーブルを大量に消費し、特にBBRシリーズの場合NATテーブルが枯渇してしまうという問題が出る場合があり( BBRシリーズが800, BHR-4RV が 2048, BHR-4GRV が 4096 とカタログに掲載されています )、CentOS などのようなDVDイメージの配布にBitTorrentを使う必要があるものをダウンロードするのに苦労することがありましたが、この機種ではNATテーブルの大きさ的にも、また BitTorrent クライアント機能的にもフォローされた形となっています。

ただし、PCとは違って処理速度が非力な部分が否めない部分があるので、複数のBitTorrentジョブを並行して実行するとルーターのレスポンスが遅くなってしまうという部分や、XFSでストレージをフォーマットする必要があるため、ルータから取り外したものをWindows が動いているPCにつなぎ変えて使用するといったことができない点はあらかじめ注意しておく必要があります。

メディアサーバやファイルサーバといった機能についても非常に素直に設定てきる部分があり、設定画面的にも同じバッファロー社の無線LAN製品のように見た目が工夫されていたり、価格的にも実売価格で 5,000 円程度と安くなってきていて、BBR シリーズとの価格差も縮まっているので、自宅ネットワークをより活用したいという方、いろいろな Linux ディストリビューションを試してみたい方、実家とのVPN接続を試してみたいという方は是非挑戦してみてはいかがでしょうか。