2018年2月16日金曜日

盛装でのお出かけ中の写真撮影について

みなさまお久しぶりです。
Blogの更新が滞っていてごめんなさい。
私はというと公私共にいろいろと楽しく過ごしています。

そんな中、こんな気になるニュース記事が Yahoo! のアクセスランキング経由で上がってきました。

ロリータ服だからって勝手に撮影するのはやめて…投稿に共感の声「全て盗撮」、法的には? (大人んサー, Web魚拓)

趣旨としては
「ロリータ服を着ていて嫌なのは盗撮」という内容の投稿がSNS上で話題になりました。「了解なき撮影は全て盗撮」と撮影を非難する声も上がっていますが、撮影行為に法的な問題はないのでしょうか。
ということを話題にしたいのでしょうけれども、それ以前に基本的な理解が全く足りてない記事で、当事者の末席にいる私からしても看過できない内容です。


「コスプレ」と「ロリータ・ファッション」は全く別の概念


一番問題なのは「ロリータ・ファッション」と「コスプレ」を混同しているところです。語弊を恐れずに言うのであればコスプレは「衣装を着ることでキャラクターを演じるアクティビティ」、ロリータ服を着るのは「自分の感性にあった服を着るファッション」です。

コスプレの愛好者の方は「キャラクターを演じる」という性質上、版権的に微妙であったり、場合によっては見る人を不快にさせるような意匠やデザインを不特定多数の人が目にすることをさけるために、移動中はいわいる普段着を着る傾向が強く、ロリータ服の愛好者の方はファッションですから基本的に自宅を出るところから着飾った状態でお出かけするのが一般的です。

コスプレもロリータ・ファッションも見た目が派手なだけではなく、いや派手だからこそ人一倍周りの環境に気をつかうことが多いのですが、その形は全く違います。ロリータ・ファッションで問題になることを「コスプレ」のタグをつけて、初音ミクに扮した写真を掲げて掲載するのはデリカシーに欠けているといわざるを得ません。

コスプレ、ロリータ服のそれぞれの愛好者に対して失礼で誤解を生む内容は、さすがにいかがなものかと感じます。

ロリータ服を着ている人を「了解なく撮影」するのはやめてほしい


本題に入りますが、ロリータ・ファッションを嗜む立場の私から見ても「了解なき撮影はやめてほしい」というのが結論です。元記事では「肖像権の侵害」という観点で話を展開していますが、実際のところはそんなに単純な話ではありません。

ロリータ・ファッションを嗜む人は程度の差はあれ、手間やお金をかけてきらびやかな姿を目指すわけで、写真に撮られるにせよ「いちばんカワイイ(美しい)姿」にこだわりがあります。本人の了解なく不意打ちで撮影された写真の写りにまで保証なんてできないというのがまずひとつ。

「無断で写真撮影することが被写体の肖像権の侵害につながる」という議論が元記事で展開されていていますが、肖像権に配慮のない無断撮影はロリータ服を着ている人だけではなく、まわりに写り込んでいる人の肖像権も同時に侵害している可能性が高く、「ロリータ服を着ている人の近くにいたというだけで肖像権を侵害された」ということが起きる危険があるというのが第2の問題です。

私の場合は写真撮影を求められた場合には
  • 時間的・精神的に余裕がある ( さすがに急いで移動しているときは撮影に応じるのはしんどいです )
  • 第三者の肖像権を侵害しない、あるいは第三者が写り込まない状況をつくることができる
ときに撮影に応じています。被写体になる以上は最低限「撮影してよかった」という体験をつくることが大切と考えていて、それが実現できない状況ではゴメンナサイしています。

ということで、我々を撮影したいときには、まずは声をかけてもらいたいというのがホンネです。

ロリータ服を通じて他者におもいやりを


ロリータ・ファッションの人を見る、あるいは実際にロリータ服を着るというのは、このように他者への気づかいや思いやりの精神を持つことが要求される世界です。自分だけではなく第三者の肖像権まで気づかっている立場からすると、厳しいかもしれませんが「了解なき撮影は全て盗撮」という意見が出るのもおわかりいただけるかと思います。どんな格好をしていようと無断で他人を撮影をするのは褒められた行動ではありません。

着る人が本当にそれに値するのかを、このような形で常に試されるのがロリータ・ファッションの側面にあると思ってのですが、だからこそ街でロリータ服を着ている人を見ると応援したくなりますし、「これからはじめたい」という方には全力で背中を押してあげたいと思っています。

このような世界にあなたも足を踏み入れてみませんか?