思うところがあって、最近のホビー層向けライトPC雑誌を買ってみました。
買ってみたのは「帰ってきた悪用厳禁」「ぶっこぬき」でおなじみ(?)の「ネトラン」、そして「PCJapan」の2誌です。
この辺の雑誌は一時期WinnyやShareなどの紹介記事が集中して掲載されていたり、その周辺のノウハウを大量に掲載し、所謂「ネトラン厨」を多く排出するなど、おさわがせな要素が多い雑誌として認知されています。
「ネトラン」については、旧「ネットランナー」から一旦休刊状態を得て復活しているのですが、復活号から「超入門」と題して圧縮解凍、Firefox、デジタルカメラ、PC拡張、PHPとページ数はさほど多くないものの、読者にそれなりのノウハウを身につけさせることを意図した連載が展開しています。正直「ネトラン」でPHPの記事を掲載するのはかなり気持ち悪い部分があるのですが、ある程度まじめな要素も取り入れていこうという試みなのかもしれません。
一方、「PCJapan」のほうは「完全保存版 図解!ネットワークの仕組み」と銘打って、100ページ弱の付録をつけ、連載として過去に掲載されたネットワーク解説記事をまとめています。
付録冊子の目次をみてみると24回分ということで、まる2年にわたって連載されたものをまとめたようで、解説はあくまで平易な言葉づかいで、イラストを含めてわかりやすさを全面に出した記事で、この冊子に関しては非常に好感が持てる内容に思えました。
このようなライトなPC雑誌はどうしても読者の欲望を一手に受け止める必要があるので、それこそ「ぶっこぬき」だとか「動画共有サイト完全攻略」とかいう記事が全面に出ているのですが、実はそれだけではなく、ある程度まじめに読者を育てる試みも行っている部分があるということを認識しました。
昨今PC雑誌はどの雑誌も不振でここ数年は老舗の雑誌ですらも休刊が相次ぐ状態で、確かな知識やスキルを身につけたい人が読むエントリー的な雑誌が皆無になってきているように思います。
私あたりの年代の人間はそれこそ「ベーマガ」こと「マイコンBASIC Magazine」がそのあたりの役割を担っていて、「ベーマガ」のおかげで、とりあえずはBASICはなんとか扱えるようになったという人も多いのではないかと思います。確かに私たちの時代には動画共有サイトもWinnyもなかったわけではありますが、ゲームソフトやアーケードゲームの話題でみんな盛り上がってたような時期でもありました。
確かに暴走ぎみになっている部分も否めないライトPC雑誌ですが、そこそこ見られる部分もあるのではないかと感じた次第です。ちなみに「PCJapan」の付録は本当によく書けているので、ネットワークについて勉強しているひとは買って損はないと思います。