2012年9月27日木曜日

Nexus 7 が国内でも購入できるようになりました

Google の Andorid タブレット Nexus 7 が日本でも購入できるようになりました。

そして、この Nexus 7 に合わせて、Google Play ブックスがオープンしたことがアナウンスされました。

突然の記者会見


Nexus 7 販売開始に合わせて Google が記者会見を行ったのですが、その模様を岡田有花さんが ITMedia で記事にしています。

Androidの強みは「オープン性」、「競合よりはるかに速く成長」――Googleシュミット会長が来日 〜 ITMedia

余談になりますが、この岡田有花さんの記事でのシュミット会長の写真につけられたキャプションが気になります。
Nexus 7を手にするシュミット氏。約15分間のプレゼンテーション中は常に台本のような紙を持ち、時折目を落としながら話していた
 岡田有花さんも直接本人に確認したわけではないので「台本のような」と断定した言い方は避けていますが、拡大写真を見ると確かに脇に抱えた紙に
with each app being like extra blades on Swiss Army knife. And that means ...
We recently launched a tablet in the US and Europe called the Nexus 7 ____ ____ what is possible when hardware and software combine with 
(NEX)US7 - SLIDE WITH NEXUS 7 APPEAR
といった文字が読み取れるような気がします。 Google はオープンにすべきものはオープンにする一方で、自身のビジネスに関する部分は徹底的に秘密主義を貫くことが知られていますが、良い悪いは別として、こういった台本を手にトップエクゼクティブがプレゼンをするというのも非常に興味深いものがあります。

Nexus 7 登場の意義


さてこの Nexus 7 ですが、日本で発売が開始されたことはこんな意義があるのではないかと思います。
  • 「Google 公式の」タブレット端末である
  • 本を読むという体験に関してようやく iOS に並びかけた
  • 中華端末の価格的メリットが少なくなった
 先日発売された Ubuntu Magazine vol.09 では中華端末視点での記事になりましたが、Nexus 7 が市場に登場したことでもう一度掘り下げてみたいと思います。

( 余談ですが個人的には海外から取り寄せていて、手元に届くタイミングによっては記事でも一部触れる予定でしたがバックオーダー状態になってしまい Nexus 7 が手元に届いたのは脱稿後になってしまいました )

「Google 公式の」タブレット端末である


Ubuntu Magazine の Android 特集でもちょっと触れましたが、真面目に Android 開発をしようと思った時にネックになることとして「まっとうな開発端末を手に入れる」ということがあります。

今まではどうしても Android 端末は「携帯電話・スマートフォン」という前提があったため、キャリアが販売することが前提になっており、月々の契約が必要になったり、キャリアによる時としてお節介になりがちなカスタマイズが施されローカル色の強い端末を使わざるを得ず、また「公式のNexus端末」は日本ではごく一部の例外機種を除いて販売されてこなかったので、手に入れようとすると海外から取り寄せなければならないという開発者(ガジェットギークも含めて?)泣かせの事情がありました。Nexus 7 については1か月くらい前から秋葉原のショップで見かけることがありましたが、自力で送料をかけて輸入する価値があるほどのプレミアム価格がつけられていた事情もありました。

標準的な位置づけの端末が国内で簡単に購入できるようになったということは開発者にとっては大きな福音になるのではないかと思います。

本を読むという体験に関してはようやく iOS に並びかけた


そして、「Google Play ブックス」です。iPad を使う用途の一つとして「電子書籍を読む」ということがありますが、ようやくそれに近いことができるようになりました。「なんとなく便利そうなモノ」から「少なくとも電子書籍を読むことができるモノ」に進化したことは大きいのではないかと思います。

この Google Play ブックスは ヘルプによると Android 2.2 以降で Google Play ストアアプリが導入されている環境 で動作するということなので、Nexus 7 云々はおいておいても、Android ユーザーの 95 % 超の端末で「Google Play ブックス」のコンテンツを利用することができるようになったということになります。

また、国内の電子書籍ということでいうと、楽天の kobo がサービスとしては先行していて、Google の場合はコンテンツの品揃えについて具体的な数字を出しているわけではないものの、著作権が切れた本をデジタル化する「Google Books」の成果が今回の「Google Play ブックス」で利用できることが大きな特徴です。国内では慶応義塾図書館の資料の一部が該当し、検索キーワードによっては、電子書籍に混じって古本屋でしか入手できない資料がヒットして「無料で購入」できるのが非常に興味ぶかいところです。

中華端末の価格的メリットが少なくなった


さらにガジェットギークの方にとっての一番の変化は Nexus 7 の販売価格だと思います。現在 Google Play で 16GB モデルが 19,800 円で販売されていますが、現在 1万円台前半で売られていることが多い中華Androidタブレットとの価格差が圧縮されました。これまで中華端末は
  • 搭載されているOSが新しい
  • 価格的に安い
という2つのメリットがありましたが、Nexus 7 の登場でこのメリットの両方を失ってしまうことになります。公式端末の入手が難しいという状況で一定の支持を得てきた部分があるので、今後どういった展開を見せるのか注目したいところです。

Nexus 7 は買いか?


ということで、Nexus 7 はどんな人が買うべきかということを考えみました。

買うべき人

 
  • Android 開発者
  • 最新のAndroid OS を使いたい人
  • タブレット製品に興味があったけども購入にふんぎりがつかなかった人
 

それほど気にしてなくてもいい人

 
  • 単に Android で本を読みたい人 ( Google Play ブックスは Android 2.2 以降の端末で動きます )
  • 中華タブレットをバリバリ使っている人 ( Android 4.0 → 4.1 はそれほど目を見張る新機能はありません。地味に見えがちな改良点がたくさんあるのも事実ですが )
  • カメラアプリを使いたい人 ( アウターカメラついていません! )
  • Wifi インターネット接続環境を用意できていない人 ( Nexus 7 単体では Wifi のみです。すでに ISP各社がセットプランを発表しているので、それに乗るのも一つの手段かもしれません )