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2012年9月27日木曜日

Nexus 7 が国内でも購入できるようになりました

Google の Andorid タブレット Nexus 7 が日本でも購入できるようになりました。

そして、この Nexus 7 に合わせて、Google Play ブックスがオープンしたことがアナウンスされました。

突然の記者会見


Nexus 7 販売開始に合わせて Google が記者会見を行ったのですが、その模様を岡田有花さんが ITMedia で記事にしています。

Androidの強みは「オープン性」、「競合よりはるかに速く成長」――Googleシュミット会長が来日 〜 ITMedia

余談になりますが、この岡田有花さんの記事でのシュミット会長の写真につけられたキャプションが気になります。
Nexus 7を手にするシュミット氏。約15分間のプレゼンテーション中は常に台本のような紙を持ち、時折目を落としながら話していた
 岡田有花さんも直接本人に確認したわけではないので「台本のような」と断定した言い方は避けていますが、拡大写真を見ると確かに脇に抱えた紙に
with each app being like extra blades on Swiss Army knife. And that means ...
We recently launched a tablet in the US and Europe called the Nexus 7 ____ ____ what is possible when hardware and software combine with 
(NEX)US7 - SLIDE WITH NEXUS 7 APPEAR
といった文字が読み取れるような気がします。 Google はオープンにすべきものはオープンにする一方で、自身のビジネスに関する部分は徹底的に秘密主義を貫くことが知られていますが、良い悪いは別として、こういった台本を手にトップエクゼクティブがプレゼンをするというのも非常に興味深いものがあります。

Nexus 7 登場の意義


さてこの Nexus 7 ですが、日本で発売が開始されたことはこんな意義があるのではないかと思います。
  • 「Google 公式の」タブレット端末である
  • 本を読むという体験に関してようやく iOS に並びかけた
  • 中華端末の価格的メリットが少なくなった
 先日発売された Ubuntu Magazine vol.09 では中華端末視点での記事になりましたが、Nexus 7 が市場に登場したことでもう一度掘り下げてみたいと思います。

( 余談ですが個人的には海外から取り寄せていて、手元に届くタイミングによっては記事でも一部触れる予定でしたがバックオーダー状態になってしまい Nexus 7 が手元に届いたのは脱稿後になってしまいました )

「Google 公式の」タブレット端末である


Ubuntu Magazine の Android 特集でもちょっと触れましたが、真面目に Android 開発をしようと思った時にネックになることとして「まっとうな開発端末を手に入れる」ということがあります。

今まではどうしても Android 端末は「携帯電話・スマートフォン」という前提があったため、キャリアが販売することが前提になっており、月々の契約が必要になったり、キャリアによる時としてお節介になりがちなカスタマイズが施されローカル色の強い端末を使わざるを得ず、また「公式のNexus端末」は日本ではごく一部の例外機種を除いて販売されてこなかったので、手に入れようとすると海外から取り寄せなければならないという開発者(ガジェットギークも含めて?)泣かせの事情がありました。Nexus 7 については1か月くらい前から秋葉原のショップで見かけることがありましたが、自力で送料をかけて輸入する価値があるほどのプレミアム価格がつけられていた事情もありました。

標準的な位置づけの端末が国内で簡単に購入できるようになったということは開発者にとっては大きな福音になるのではないかと思います。

本を読むという体験に関してはようやく iOS に並びかけた


そして、「Google Play ブックス」です。iPad を使う用途の一つとして「電子書籍を読む」ということがありますが、ようやくそれに近いことができるようになりました。「なんとなく便利そうなモノ」から「少なくとも電子書籍を読むことができるモノ」に進化したことは大きいのではないかと思います。

この Google Play ブックスは ヘルプによると Android 2.2 以降で Google Play ストアアプリが導入されている環境 で動作するということなので、Nexus 7 云々はおいておいても、Android ユーザーの 95 % 超の端末で「Google Play ブックス」のコンテンツを利用することができるようになったということになります。

また、国内の電子書籍ということでいうと、楽天の kobo がサービスとしては先行していて、Google の場合はコンテンツの品揃えについて具体的な数字を出しているわけではないものの、著作権が切れた本をデジタル化する「Google Books」の成果が今回の「Google Play ブックス」で利用できることが大きな特徴です。国内では慶応義塾図書館の資料の一部が該当し、検索キーワードによっては、電子書籍に混じって古本屋でしか入手できない資料がヒットして「無料で購入」できるのが非常に興味ぶかいところです。

中華端末の価格的メリットが少なくなった


さらにガジェットギークの方にとっての一番の変化は Nexus 7 の販売価格だと思います。現在 Google Play で 16GB モデルが 19,800 円で販売されていますが、現在 1万円台前半で売られていることが多い中華Androidタブレットとの価格差が圧縮されました。これまで中華端末は
  • 搭載されているOSが新しい
  • 価格的に安い
という2つのメリットがありましたが、Nexus 7 の登場でこのメリットの両方を失ってしまうことになります。公式端末の入手が難しいという状況で一定の支持を得てきた部分があるので、今後どういった展開を見せるのか注目したいところです。

Nexus 7 は買いか?


ということで、Nexus 7 はどんな人が買うべきかということを考えみました。

買うべき人

 
  • Android 開発者
  • 最新のAndroid OS を使いたい人
  • タブレット製品に興味があったけども購入にふんぎりがつかなかった人
 

それほど気にしてなくてもいい人

 
  • 単に Android で本を読みたい人 ( Google Play ブックスは Android 2.2 以降の端末で動きます )
  • 中華タブレットをバリバリ使っている人 ( Android 4.0 → 4.1 はそれほど目を見張る新機能はありません。地味に見えがちな改良点がたくさんあるのも事実ですが )
  • カメラアプリを使いたい人 ( アウターカメラついていません! )
  • Wifi インターネット接続環境を用意できていない人 ( Nexus 7 単体では Wifi のみです。すでに ISP各社がセットプランを発表しているので、それに乗るのも一つの手段かもしれません )

2012年8月27日月曜日

Ubuntu Magazine Vol.09 は 9/6 発売予定です!

あれだけ暑かった今年の夏も涼しくなるかと思わせておいて、まだまだという感じですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

季節の変わり目といえば、そう、Ubuntu Magazine です。今回は様々な事情で怒涛の修羅場状態となり、私も半死半生状態でブログ書けない状況が続いておりましたが、無事に 9 月 6 日に発売されることになりました。Amazon ではすでに予約ができますので、突撃して下されば幸いでございます。

今回私は謎の「ごにょる」記事と著者陣総力戦(?)のフリーソフト特集の一部を書かさせていただきました。「ごにょる」方は個人的に反省すべき点がたくさんあったのですが、 編集さんの力添えでなんとか形になった感じでございます。

「あいつがヒーヒーいいながら書いたんだなこれ」と思いながら読んでいただければ幸いでございます。

ところで、今回の表紙の子って一体誰なんでしょう? 識者の方、ぜひ教えてください !

2011年12月26日月曜日

Androidアプリ「牛トレーサー(ぎゅうとれーさー)」 1.3.0 リリース

A3 Together賞をもらってしまいました、拙作Androidアプリ「牛トレーサー(ぎゅうとれーさー)」でございますが、バージョン 1.3.0 を先ほどリリースいたしました。

今回の修正はバグフィックスが主な内容でございます。変更点は以下の通りです。

  • 「死亡牛の譲渡先」情報が含まれる場合にアプリケーションがクラッシュしていた問題を修正
  • 「死亡牛の譲渡先」情報が含まれる場合にその内容を移動記録に反映させるようにした
  • SPECIAL THANKS に A3 TOGETHER についての情報を掲載した

「死亡牛の譲渡先」情報は一部の個体にのみ記録されている情報ですが、その情報があった場合にアプリケーションがクラッシュしてしまうという問題を抱えておりました。不具合を修正するとともに、「死亡牛の譲渡先」情報が記録されている場合には譲渡先の情報(氏名または名称,所在地)を追加で表示させるようにいたしました。

一時期にくらべて牛肉についての不安は大分解消されてきているように感じられますが、引き続きご活用くだされば幸いです。

不具合報告が相次ぐ富士通東芝製のREGZAフォンシリーズのユーザを不必要に揶揄することについて

富士通東芝製のREGZAフォンシリーズの不具合の報告が相次いでいます。ちょっと書きだしてみると


といった事例があるようです(今回はすべて ITMedia さんの記事から書き出しました)。

このような端末を手にされた方で期待を裏切られた方は正直非常に気の毒に思えますし、メーカー側の主張も「仕様」だということで逃げを打っている状況が垣間見えます。実際のところでは「仕様を決めるための設計がお粗末だった」ということになるのでしょうけれども、それを認めてしまうと見栄や体裁やメンツを失ってしまうので、そういったことはやりたくないというのが本音なのでしょう。

具体的な根拠を持ちあわせているわけではありませんけれども、今回の件はうわべだけの体裁やメンツなどを最優先させ本当に必要なことが後回しにされた例の一つになりそうな予感がします(往々にしてメンツを守る代わりにマーケットシェアを失うことになるのですが)。

さて、今回問題にしたいのは問題のある端末自体のことではなくて製品の欠陥を必要以上に揶揄する昨今の風潮です。REGZAフォンの場合は誰がはじめに言い出したのかはわかりませんが「アアアッ」というセリフとともにREGZAフォンユーザーを揶揄する言動をあちこちで見ることができます。

従来から、特に家庭用ゲーム機では 2ch などを中心にメーカーの代理戦争としか思えないような貶めあいが続いていますが、Androidスマートフォンの場合アプリケーション開発者や将来的に開発をしようと考えている人はこういった「メシウマ(他人の不幸で今日も飯がうまい)」的な揶揄は控えるべきだと思います。

少し考えるとわかることなのですが、不運にして問題のある端末を手にしたユーザであっても開発したアプリの顧客になりえる可能性があるわけで、自分の顧客になる可能性を無視して不必要に揶揄するということは、アプリ開発をしていないか、開発者としてのマインドを欠いているかではないかと考えられます。逆の言い方をすると、この手の揶揄をしている人たちはあくまで「単なる消費者」でしかなくエキスパートではない人だと自ら告白しているような気がしてなりません。

もちろん欠陥のある製品をリリースし、その欠陥を「仕様」と言いはるのは非常にマズい状況であることに変わりはありません。東芝がテレビ製品の代名詞として育ててきた「REGZA」ブランドに泥をぬることをやめるために一層の努力と自省を関係者の方々に促したいところです。

2011年12月16日金曜日

Android の日本語入力環境が今アツい

ここにきて、Android の日本語入力環境がアツい状況となっています。

まずは Android 黎明期から提供されてきた人気日本語入力ソフトの Simeji が Baidu に買収されるというニュースが飛び込んできました。成功した製品や会社が買収されることはよくあることなのですが、Simeji の場合は Adamrocker 氏とデザイナーの 矢野りん 氏による開発ということで、「個人を買収」という形となり驚かされるニュースとなりました。

その一方で、Google は 「Android版 Google日本語入力 Beta」 を 12月15日にリリースし Android Market にて公開しました。こちらはベータ版という位置づけながらも Android 2.1 以降の端末で動作し、PC版のGoogle日本語入力で話題になった、よく検索される言葉についての変換機構もできるだけ取り入れているという意欲的な日本語入力IMEです。

この「Android版 Google日本語入力 Beta」 で、日本語入力IMEの勢力地図が大きく変わることは間違いないのですが、これでようやく日本での Android 環境が一段したように感じられる、大きな大きなステップになったのではないかと思います。

Simeji は役目を終えたように思う方も中にはいるかと思いますが、個人的にはこれで Simeji 自身が主張している「変なIME」の変さ加減を加速することができることになったのではないかと思います。現状で Simeji にしか実装されていないフィーチャーとしては

  • ハードウェアキーボードのサポート
  • Android 1.x ( 1.5 の場合は Simeji Classic ) での動作
  • いわいる「野良アプリ」としても配布されているので、Android Market を搭載していないデバイスにもインストールが容易だ
といったところがあげられると思います。これからも Simeji 、Google日本語入力 共に目が離せない状況となっていくのではないでしょうか。

2011年11月11日金曜日

Google Developer Day 2011 Japan に参加してきました

Google Developer Day 2011 Japan に参加してまいりました。

このイベントに参加するのは昨年に引き続き 2 回目となりますが、今回は例の「牛トレーサー」を書いていたことから、優先枠申請をしたところ思惑どおり参加権をゲットすることができました。とはいえ、DevQuiz にも参加 してしっかりボーダーラインをクリアした上で参加しました。

なお、公式のハイライト動画が Youtube で公開されたようですので、どのような雰囲気であったのかを感じとってもらえればと思います。



ちなみに動画の中盤で、会場エントランスの隣に設置されたボードに "age++;" と書いている場面がありますが、実は当日誕生日だったということもあり、帰りがけにネタとして書き残したものをハイライト動画で拾っていただいた格好になります。ちなみにボードには
あなたが書いた自慢のコードは何ですか? GDD 会場に刻みつけよう!
Which is the most ninja code you've ever written?
と書いてあり実際に難解プログラミング言語での Quine などかなりマニアックなコードが書いてあったわけですが、書き残したタイミングやボードの中での場所が良かったのかもしれません。



また、夕方の Ignite の時間には「Google ダンス部によるパフォーマンス」がありましたが、出演者のクレジットが「GDD48」と、とうとうGoogleもご乱心かと見せかけて実のところ須藤元気率いるパフォーマンスユニット「WORLD ORDER」のコラボレーションという非常にクールなアトラクションとなりました。

( 11/15 追記: Google Japan Developer Relations Blog にて、今回の "GDD48" ダンスパフォーマンスについての Blog 記事が掲載されました。 )


さらに、ささやかなおみやげ( zeemote のBluetooth接続のジョイスティック ) や缶バッチのトレーディングなどいろいろな仕掛けがあり、楽しく、また当然のことながら非常にためになるイベントでありました。特に感銘をうけたのが、今回のテーマというべきもので、基調講演の最後に示された3つの事柄です。

  • 「なにごともエンジニアありき」
  • 「百聞は一デモに如かず」
  • 「日本で『イケる』と思ったら、世界のみんなも同感するかも」

まさにこの通りで、プロダクトマネジメントディレクターの徳生氏がハイライト動画で語っている通り、デベロッパーとしての誇りを持つことの大切さをあらためて感じさせられました。次回、また同じようなイベントがある際には、スピーカーとして参加できるようなそういったデベロッパーになりたいと思わせられる、そういうイベントでした。参加された皆さん、運営に携わった皆さん本当にお疲れさまでした。

2011年11月7日月曜日

ミログの「AppLogSDK終了」アナウンスについて


A3 TogetherGoogle Developers Day 2011 Japan 参加で激しく周回遅れ状態となってしまいましたが、先日取り上げました 「AppLogSDK」 について、全サービス終了のアナウンスが10/27に発表されました。

このサービスについては種々な問題点が指摘され、10/10にサービスを停止していたにもかかわらず、「10/26に『今後の展開に関する重大発表』を行う」としていましたが、結局のところサービス終了ということになりました。

サービスの終了は状況を見る限りでは妥当な判断のように思えるのですが、CEO の Tweet を見ると若干その趣が違うように感じられます。

というのは、サービス終了を告知したのにも関わらず、あたかも新規事業を立ち上げるかのごとく、終了告知用のドメインをわざわざ新たに取得し、さらに「3分アンケート」への協力を呼び掛けていることです( あえてこのblogエントリの画像では URL 部分をマスクしています )。

この点については感情的な感想が各方面で述べられているようでしたが、実は狙いは明確で「AppLogSDKの終了」イベントで世間を注目を浴びたことを、SEOのための商材に使おうということなのだろうと思います。実際には取得されないであろうドメインを取得し、そこにサービス終了のアナウンスを掲載し被リンクや一時的なページビューを稼ぎ、SEOビジネスの切り札に使おうということなのでしょう。

正直ミログが「AppLogSDK」についてどれだけ真摯に取り組んでいたのかは知る由もありませんが、ある程度問題点が指摘されニュース露出が増えてきた段階で、このプランは用意されていたのではないかと思います。Don't be evil というわけではありませんが、このようなことを打ち出してくるところについては相応の対応をすべきなのではないかと感じたのでございました。


A3 Together 「決勝プレゼン&表彰式」に行ってきました

もう一週間が過ぎてしまった話題で恐縮なのですが、先日報告いたしました、日経BPさん主催のA3 Together の「決勝プレゼン&表彰式」に参加してまいりました( 最終結果, 日経BPさんのプレスリリース )。結果としては順当に「アプリ/Webサービス賞」という結果でございました。

今回の A3 Together では「アプリ/Webサービス賞」と「アイディア賞」の受賞者に 5分間のプレゼンが課せられ、その内容も加味された上でこの2部門の大賞が決定されるということで、単なるセレモニーということではなく、当事者としてはかなり緊迫するイベントでございました。

さらに、表彰式の数日前に同社が発行している「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則 (AA)」が送られ、リハーサルの際に、同書の解説を担当された外村氏によるプレゼンレッスンを実施することが知らされたので、大慌てで同書をチェックし、プレゼンを作り、そして当日午前中には実際にレッスンを受けてアドバイスやダメ出しを頂き、再度プレゼンを練り直すという非常に有意義だけどハードな状況に追い込まれていました( 実際はリハーサル・プレゼンレッスンは前日の午後から行われていたのですが、仕事の関係から当日入りしたのも状況がハードになった一因かもしれません )。

結果ある程度のところまでざっくり贅肉を削ぎ落とし、あとはなるようにしかならないということで、失うものは何もない開き直りテイストなプレゼンを行いました。この模様は公式の UStream チャネルで配信されました。プレゼンの部分だけのハイライト動画および個人的に別建てで録画した Youtube 動画をはりつけておきますので、興味のあるかたはご覧いただければと思います( もちろんプレゼンの内容は同じなので両方視聴する意味はあまりありません )。

A3 Together 「牛トレーサー」プレゼンテーション ( 公式 UStream 録画 )


A3 Together 「牛トレーサー」プレゼンテーション ( 個人で録画した Youtube 動画 )


プレゼンのレッスンを受けるというのは本当に貴重な体験で(もちろんその後に本番がありますから、もちろん真剣勝負です)、書籍のエッセンス的な部分を実体験することができ、とても勉強になりました。

「牛トレーサー」は賞を取ることを意識して応募したわけではなかったのですが、このような評価をいただいて非常に光栄でございました。また多くの受賞者の方やメーカーの方コミュニティの方とお話することができたのは大きな収穫でした。

A3 Together は「震災復興」がテーマではありましたが「次のアプリケーション」も準備していきたいと思いますので、これからもご声援・応援よろしくお願いします。

2011年10月17日月曜日

A3 Together "アプリ/Webサービス賞" に「牛トレーサー」がノミネートされる!

以前この blog でも告知させていただきましたことがあります、拙作 Android アプリ「牛トレーサー」ですが、日経BP ITPro さん主催の「A3 Together」で "アプリ/Webサービス賞" にノミネートされました( 受賞作品一覧, ITPro Expo 2011 での発表を伝える記事 )。まずは陰に陽に応援してくださいました皆様に御礼申し上げます。

正直このアプリはコンテストに出展するために書いたものではなく、逆にアプリの宣伝の一環としてエントリーさせていただいたような形で、賞に入ることは期待せずに、審査に関わった方に触れていただくことのみを期待してエントリーしたもので存外の評価を頂いてちょっと恐縮しております。開発した私の方針としては「時事ネタの単発アプリだけど、やるからにはマジメに取り組もう」という方針で作ったものでございました。

もちろん消費者の方が汚染された食品を口にすることも、放射線による過剰反応で農家の方が風評被害に苦しむことも、どちらも悲しいことなのでそういったことを防ぐ助けになればという思いで作ったものでございました。

今後の日程でございますが、来る 10/29 に仙台で A3 Together の発表会・表彰式が予定されており、"アプリ/Webサービス賞"の大賞をかけ(?)て 5分間のプレゼンを行う予定です。この模様は UStream.tv の A3チャンネルでも配信されるということなので、ご覧になってくだされば幸いです。


2011年10月12日水曜日

「ミログ」に関わる一連の騒動について思うこと


Android スマートフォンでのアプリケーションのインストール情報や使用履歴を、無断で送信するということで「ミログ」の「app.tv」や行動ターゲティング広告を提供するとしている「AppLog」SDKが大きな問題となっています。

アプリケーションの振舞いとしては「app.tv」が、そして開発者を巻き込んでしまいつつあるという意味で「AppLog」SDKが問題になっており、どちらも利用者の許諾をきちんとした形で取っていないか無断で送信するという振る舞いがあることが問題の核心です。

私自身、Android のアプリ開発者としてデベロッパー登録をしていますし、アプリケーションも Android マーケット経由でリリースしており、また当然 1 ユーザでもあるのでこの問題は注目せざるをえない事柄です。折しも日本Androidの会の定例会で渦中のミログCEOが登壇し、UStream にて配信され、その録画が公開されているということなので、視聴してみました。


Video streaming by Ustream

このプレゼン動画を見て、仮に技術的な部分が理解できなくとも皆さんがどう感じたかという部分が一連の問題の核心であるのですが(非常に失礼な言い方ですが私には「ネットワークビジネスのできそこないプレゼン」のように見えました)、私の感覚では
  • ユーザの立場に立てば、ずさんな許諾のとりかたをしている点で問題外
  • 開発者の立場に立てば、これを採用することによって信用を失ってしまうので問題外
だというのが率直な印象です。ユーザの立場に立った際の問題点についてはすでに多くの方がさまざまなサイトで検証されているので触れませんが、開発者として見た場合でも、「AppLog」SDKはとても採用できないところがあるので、書いてみたいと思います。

「マルウェアを配布してしまう」ということ


まず大きな問題にしなければならないのが、このSDKを使うことでユーザさんの端末を「マルウェア端末」にしてしまう可能性が強いということです。プレゼン動画の中ではしきりに「バッテリの消費が...」という言葉が繰り返されていましたが、バッテリどころのさわぎではなくマルウェア端末にしてしまうというのは大きな問題です。

Android アプリケーションを開発して Android マーケットで公開し、それなりに使ってもらおうと努力した経験のある方は少なくないかと思いますが、インストールして使ってもらうというのはそれが無料アプリであっても大変なことで、こういう経験を通じて「アプリ開発者の『顧客』はユーザさんだ」ということを実感するわけですが、苦労してアピールして使ってもらえたユーザさんの信頼をいっぺんに崩してしまうだけの破壊力を持ったものがこの「AppLog」SDKだといわざるを得ない側面があります。

このような事例は実は今初めて起こったことではなくて、Windows の「オンラインソフトウェア」界隈でも、無料で提供されるソフトウェアに「JWord」というスパイウェアが同梱され多くのユーザを悩ますことがありましたが、「AppLog」SDKを使うことは「JWord」を同梱することかそれ以上にユーザの顰蹙を買い、開発者の信頼を失墜させるようなものであるということができると思います。

「ミログ」という会社の経済的信用


さらに非常に穿った見方かもしれませんが、「ミログ」という会社にどこまで経済的信用をおけるかということも重要な視点かと思います。

この「AppLog」SDKではどのような形態になっているのかはサインアップしていない私は分かりませんが、開発者が得る報酬は一定額に達するまで出金できないか手数料で損をしてしまうというのが世の常です。そして未出金の報酬は開発者にとっては債権ということになりますが、この債権には当然のことながら発行元の「ミログ」の信用リスクが存在します。また多くの開発者が参加したとすると最低出金額以下のものについては退蔵されたままサービスが終了してしまうという可能性も考えなければなりません。ちょっと古い記事ですが、Techcrunch に

[jp]ミログが3.1億円をオプト、リクルートから調達、あわせてAndroid向けリワード広告への参入も
(http://jp.techcrunch.com)

という記事が掲載されていますが、これを読む限りでは「開発者の金庫番」としては「ミログ」はいささか役不足なのがおわかりいただけるでしょう。

実際のところ私はアプリ内広告には AdMob ( 2009年に Google が買収 ) を使っていますが、元締めだけあって「ミログ」とは経済的、倫理的な部分双方で安定感が違うように思います。

ユーザコミュニティに頼らず皆さん自身が判断を


一方、一部 Twitter 方面では今回の日本Androidの会の定例会に「ミログ」CEOに登壇させたことについて是非の声が上がっていますが、実際「日本Androidの会」は「Androidに興味を持つ人が集まるユーザーコミュニティ」という目的の団体ではありますが、かなり「ゆるい」つながりをもつコミュニティで、今回のような事態に対して「公式な見解」を出すような仕組みはありません。入会にお金が必要なわけでも血判状に押印するわけでもない単なるコミュニティにすぎませんので、是は是、非は非でそれぞれの事柄について開発者やユーザそれぞれの立場で判断してもらうしかない部分があります。

私の個人的な意見では、今回の件で Android 全体が脆弱なプラットホームだと認識されるのは心苦しいものがある一方で、このような「邪悪」なものが早期に排除される現状はある意味健全な部分があるのではないかと思います。なによりこういったモノに加担してしまった開発者が淘汰され、えげつないことをやるライバルが減るというのは正直非常に好ましく感じます。

ある意味今回の騒動は、健全なアプリが正当な評価を得るようになるための試練のように思います。

2011年9月13日火曜日

GDD2011 DevQuiz に挑戦してみました

昨年秋に参加した Google の開発者向けイベントの Google Developer Day ですが、今年も参加しようと思い立ちました。このイベントでは事前登録だけではなくコミュニティ活動やアプリケーション開発、コーディング能力が問われるという「何かを持っている」人でないと参加できないというイベントです。

今年は「牛トレーサー」を公開したこともあるので、「優先参加枠」に申し込んでみたところ、首尾よく当選し早々と参加を決めたのですが、せっかくなので DevQuiz のほうにも挑戦してみました。

結果としては、130.16/150.00点ということで「優先参加枠」がなかったとしても参加できる位置にこぎつけることができました。

今回の問題構成は、四択問題が5問の「ウォームアップクイズ」、5問中2問以上選択 ( 無駄に全部解いてしまいましたが ) の「分野別クイズ」、
より難易度の高い「チャレンジクイズ」の三部構成でした。

「優先枠当選」と満点のグランドスラム状態を夢見てたのですが、結果からするとまだまだ精進すべきところがあったというのが率直なところです。


今年は全般的に去年よりも問題の難易度が多少上がり、その代わりに分野選択やウォームアップクイズの獲得点数とスコア分布が1日1回開示される形で制度的なところで救済策が用意された形でした。

DevQuiz 終了後のスコア分布は右の画像のような感じとなり、私は上位 300 程度のところに食い込むことができましたが、その一方でボーダーライン付近では100点台の参加者が積み上がり激戦区となる状況になりました。9/10, 9/11 の週末にボーダーラインに追われて必死に点数の上積みを試みた方も結構いたのではないかと思います。

今回の DevQuiz で特徴が出たのは分野別クイズの部分で、参加者のバックグランドによっては得手不得手が出たのかなと感じています。 Web Game は Chrome の Extension を使うことを強く意識されていたり、Go や Androidは今回をきっかけにということだと環境作るまでが一大事だったり( Android はいろいろ裏ワザがあったようですが... )と、Google の旬のテクノロジにどれだけ触れていたのかということも地味に問われたように思います。

とはいえ、全般的に今回も去年同様非常に有意義で、楽しく苦しめられたように思います。

なお、実際の DevQuiz 問題へのアプローチなどについては余裕やリクエストがありましたら取り上げたいと思います。

2011年8月2日火曜日

Androidアプリ「牛トレーサー(ぎゅうとれーさー)」 1.2.0 リリース

好評をいただいております Android アプリ「牛トレーサー」でございますが、 Version 1.2.0 を先ほどリリースいたしました。

今回バージョンアップするきっかけになったのは、このアプリでも使っている(独)家畜改良センターの「牛の個体識別情報検索サービス」で、「牛肉の放射線物質に関する検索システム」が提供されたことです。

一連の放射線セシウムを含む稲わらに端を発する牛肉汚染騒ぎで、個体番号から汚染の有無を調べることができるようになったのは非常に好ましいことではありますが、現状では残念ながら当該サイトへのアクセスが集中してつながりにくくかえって不安を感じかねない状況になっていたり、場所によって「暫定許容値」「暫定規制値」と用語の統一ができていなかったりと、急ごしらえであることを考慮したとしても満足できる情報が得られていないという状況だったりします。

さらにひどいことに、汚染稲わらを食べた可能性があるとされた牛について、検査の結果「暫定規制値内」であるとされたものについては、そもそも何の問題もないかのような結果表示となっている点です。(右の検索結果はそれぞれ 1:汚染稲わらを食べたものではないもの 2:汚染稲わらを食べ検査が済んでいないもの 3:検査の結果「暫定規制値内」のもの 4:検査の結果「暫定規制値超過」のものです)

検査結果としては "ND(検出限界以下)" 〜 500Bq/kg と幅がある上に、「暫定規制値内」の個体がどのように扱われるのかは現在確かな方針が決まっていない状況にある中単に「回収対象外」と表示させるのは非常に乱暴なものではないかと感じます。

「牛トレーサー」ではこの部分については、厚生労働省の報道発表からの情報をもとに、独自に Google Application Engine 上にデータを展開していますが、アプリケーション内から一次情報にアクセスできるように配慮をしています。

(厚生労働省のデータについても、PDF や Excelファイルといったデータフォーマットでかつ同じExcelファイル内で 個体識別番号の表現が "12345-67890" だったり "1234567890" だったりとヒドいことになっています。日本を代表する優秀な行政スタッフが揃っているはずなのに... ) 

今回のバージョンアップでは、(独)家畜改良センターのサイトがつながりにくい場合に汚染情報だけでも検索できるように「汚染情報のみ検索」の設定項目を新たに設けました。検索結果がいつまでたっても帰ってこないような状況になった場合に活用ください。

最後に、遅れてしまいましたが拙作「牛トレーサー」について「オールナイトニッポン GOLD app10 産直!アプリニュース 2011.07.22」で紹介していただきました。リスナーやユーザの方だけでなく開発者にも暖かく接していただけるというのは非常にありがたいことです。blog 読者の方もぜひ機会がありましたら app10.jp や放送をチェックしてみてください。

2011年7月27日水曜日

Androidアプリ「牛トレーサー(ぎゅうとれーさー)」リリース

皆様お久ぶりでございます。放射線や電力不足となかなか厳しいイベントが日々が続くなか、いかがお過ごしでしょうか。特に最近ですと放射性セシウムに汚染された稲わらを食べた肉牛が流通した件がニュースでも報じられています。

牛肉というのは過去の BSE 問題の際に国産のものについては10ケタの数字を一頭一頭の牛に割りつけて移動などを追跡できる仕組み、いわいる「牛トレーサビリティ」が稼働しています。今回の汚染稲わらの件についてもこの仕組みは(他の食品に比べて)うまく動きそうなところですが、どの個体が安全でどの個体が汚染されているのかという情報は消費者にうまく情報が提供されていない状況のように思います。

そこで、そういった状況を少しでも改善するために、Android アプリ「牛トレーサー」を開発してみました。( くわしくはこちらをごらんください )

このアプリを使うことによって、スーパーに並んでいる国産牛肉がどのような経緯を得たのか、汚染された稲わらを食べたのかどうかを調べることができます。


牛トレーサー」を開発するにあたって、最初は個体識別情報検索サービスを使うように設計しましたが、今回特に注目されている放射線にかかわる情報はこのサービスに情報が載るわけではなく、現状では厚生労働省がとりまとめた資料が PDF もしくは Excel ファイルで Web で公開されている状況で、目の前の肉が該当するのかどうかというのを調べるのには非常に不便な状況となっています。放射線汚染の情報がアプリケーションで得られないのは仕方がないので Google Application Engine 上にデータを置いてそこを「牛トレーサー」が見に行くという仕組みになっています。

こういった行政の縦割り体質を批判するのはたやすいことではあるのですが、ここ数日のデータを見ると、19時現在の情報を取りまとめて翌日1時もしくは2時ころにWebで公開されるという状況で、とりまとめのかなりの部分をヒューマンパワーに頼っている状況が見て取れる状況です。またフォーマットについても PDF だったり Excel だったり、また個体識別情報も "12345-67890" という形式と "1234567890" という形式が同じ Excel ファイルの中で入り乱れているという、ある意味「日本的」な状況になっています。

とはいえ、個体を追跡できそうな仕組みがあるのに実際に機能せず、従来通りの報道等によって風評被害が拡大するのは本意ではありませんので、私のほうでもある程度人力で追従しながら様子を見ることにいたしました。

ということで、この「牛トレーサー」ですが広告をつけさせていただきましたが、無料アプリとして登録しましたので、ご活用いただければと思います。