皆様お久ぶりでございます。放射線や電力不足となかなか厳しいイベントが日々が続くなか、いかがお過ごしでしょうか。特に最近ですと放射性セシウムに汚染された稲わらを食べた肉牛が流通した件がニュースでも報じられています。
牛肉というのは過去の BSE 問題の際に国産のものについては10ケタの数字を一頭一頭の牛に割りつけて移動などを追跡できる仕組み、いわいる「牛トレーサビリティ」が稼働しています。今回の汚染稲わらの件についてもこの仕組みは(他の食品に比べて)うまく動きそうなところですが、どの個体が安全でどの個体が汚染されているのかという情報は消費者にうまく情報が提供されていない状況のように思います。
そこで、そういった状況を少しでも改善するために、Android アプリ「牛トレーサー」を開発してみました。( くわしくはこちらをごらんください )
このアプリを使うことによって、スーパーに並んでいる国産牛肉がどのような経緯を得たのか、汚染された稲わらを食べたのかどうかを調べることができます。
「牛トレーサー」を開発するにあたって、最初は個体識別情報検索サービスを使うように設計しましたが、今回特に注目されている放射線にかかわる情報はこのサービスに情報が載るわけではなく、現状では厚生労働省がとりまとめた資料が PDF もしくは Excel ファイルで Web で公開されている状況で、目の前の肉が該当するのかどうかというのを調べるのには非常に不便な状況となっています。放射線汚染の情報がアプリケーションで得られないのは仕方がないので Google Application Engine 上にデータを置いてそこを「牛トレーサー」が見に行くという仕組みになっています。
こういった行政の縦割り体質を批判するのはたやすいことではあるのですが、ここ数日のデータを見ると、19時現在の情報を取りまとめて翌日1時もしくは2時ころにWebで公開されるという状況で、とりまとめのかなりの部分をヒューマンパワーに頼っている状況が見て取れる状況です。またフォーマットについても PDF だったり Excel だったり、また個体識別情報も "12345-67890" という形式と "1234567890" という形式が同じ Excel ファイルの中で入り乱れているという、ある意味「日本的」な状況になっています。
とはいえ、個体を追跡できそうな仕組みがあるのに実際に機能せず、従来通りの報道等によって風評被害が拡大するのは本意ではありませんので、私のほうでもある程度人力で追従しながら様子を見ることにいたしました。
ということで、この「牛トレーサー」ですが広告をつけさせていただきましたが、無料アプリとして登録しましたので、ご活用いただければと思います。